任意加入と付加年金の例

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年金額を満額に近づける方法として「任意加入」の制度があります。「任意加入」とは、国民年金保険料の納め忘れなどの期間があって、保険料納付済期間が40年(480月)に届かず、満額の老齢基礎年金を受け取れない人が、60歳から65歳になるまでの間に国民年金へ任意加入して保険料を支払うことで、満額に近づけることができる制度です。

なお、公的年金の額そのものを増やす制度ではありませんが、自営業者のための上乗せの年金制度としては、付加年金や国民年金基金があります。重複して加入することはできませんが、付加年金は2年で元が取れる、実質利回りが非常に高い制度です。ただし、掛金が少ない分、受取り額も少ないので、利用できる人は国民年金基金のほうを検討すべきでしょう。

■2年分を任意加入すると

778,500円×456月/480月=739,575円→739,600円(2年分未加入の場合の年金額)

778,500円-739,600円=38,900円(満額との差額)

国民年金保険料15,040円×24月=360,960円(2年分任意加入した場合の保険料)

             →10年以上年金を受け取れば元が取れる計算に

※年金額は平成25年10月から平成26年3月までの価額。保険料は平成25年度価額。

■自営業者のための付加年金と国民年金基金

〈付加年金〉
月400円の付加保険料を国民年金保険料に上乗せして支払うと、「200円×保険料払込月数」が年金額に上乗せされて支給される。

〈例〉
5年間付加保険料を支払ったとすると…
400円×60月=24,000円

200円×60月=12,000円が毎年受け取れることになる。
つまり、2年受給すれば元が取れる計算に。3年め以降は全額が利益となる。

〈国民年金基金〉
毎月掛金(上限68,000円)を支払うと、その全額が所得控除になる節税効果や、老齢基礎年金に上乗せして65歳から受け取れる終身年金や確定年金、または60歳から受け取れる確定年金も選択できる。現在の予定利率は1.75%(平成26年4月以降は1.5%)。

〈受取方法の種類〉
65歳からの受取り : A型(15年保証期間付終身)、B型(保証期間なし終身)、I型(15年確定年金)、Ⅱ型(10年確定年金)
60歳からの受取り : Ⅲ型(15年確定年金)、Ⅳ型(10年確定年金)、V型(5年確定年金)

(続く)

年金額を増やすにはこんな方法もある

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公的年金の受取り額を増やす方法の最も代表的なものには、年金の繰下げ受給があります。そのほかにも、年金額を増やす方法は、いくつかあります。まず、年金額を満額に近づける方法として、「任意加入」「後納」「追納」の制度があります。

1つめの「任意加入」とは、国民年金保険料の納め忘れなどの期間があって、保険料納付済期間が40年(480月)に届かず、満額の老齢基礎年金を受け取れない人が、60歳から65歳になるまでの間に国民年金へ任意加入して保険料を支払うことで、満額に近づけることができる制度です。

たとえば、2年間の未加入の期間があった場合、年金額は74万円弱となり、4万円近く満額(約78万円)には届かないことになりますが、60歳からの2年間、任意加入をすれば、65歳からは満額を受け取れるようになるわけです。現在の国民年金保険料で計算すると、2年間で支払うべき保険料は約36万円。ということは、10年以上年金を受け取れば元が取れる計算になります。65歳男性の余命年数約19年からすると、元が取れる確率のほうが高いのではないでしょうか。

2つめの「後納」とは、平成24年10月から平成27年9月までの3年間限定で、過去10年分の国民年金保険料であれば、遡って納めることができる制度です。もともと国民年金保険料は2年しか遡って支払うことができませんでしたが、期間限定の特例としてこの制度が作られました。

対象は、20歳以上60歳未満で過去10年以内に納め忘れや未加入の期間があった人、60歳以上65歳未満の任意加入期間中に納め忘れがある人、65歳以上で年金の受給資格がなく、納め忘れや未加入の期間があった人です。すでに年金の受給権がある人は対象外です。

3つめの「追納」とは、国民年金保険料の全額免除や一部免除を受けたことのある人や、学生納付特例、若年者納付猶予制度などを利用した期間の保険料をまだ納めていない人が、10年以内に追納するものです。後納や追納をした期間は保険料納付済期間となりますので、当然のことながら年金額に反映され、それだけ満額の年金額に近づけることができます。

なお、公的年金の額そのものを増やす制度ではありませんが、自営業者のための上乗せの年金制度としては、付加年金や国民年金基金があります。重複して加入することはできませんが、付加年金は2年で元が取れる、実質利回りが非常に高い制度です。ただし、掛金が少ない分、受取り額も少ないので、利用できる人は国民年金基金のほうを検討すべきでしょう。

また、国民年金基金を利用できる人は、個入型確定拠出年金もあわせて検討すべきです。掛金の全額所得控除のメリットは大きいですし、現在の予定利率1.75%(平成26年4月以降は1.5%)というのも、個人年金保険と比較しても有利だと思われます。インフレに対応できないことや、予定利率が固定されてしまうなどのデメリットはありますが、節税効果の大きさには要注目です。

(続く)

何歳からいくら受け取れるかを夫婦で確認する

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一般の会社員は、毎月の給与やボーナスから厚生年金保険料を支払うことで、厚生年金と国民年金に回時に加入しています。

公務員は、共済年金の保険料を負担することで、共済年金と国民年金に同時に加入しています(平成27年10月からは、共済年金が厚生年金に統一される)。そして自営業者は、国民年金保険料を負担することで国民年金に加入しています。

これらの公的年金は、世代間扶養の仕組みで成り立っており、現役世代の支払う保険料で受給者への年金支払いがまかなわれています。

日本の年金制度の将来が危ぶまれているのは、少子高齢化の進展によってこの世代間扶養の仕組みが厳しいものになってきているからです。平成6年・平成11年度の年金制度改正によって、生年月日に応じた受給開始年齢の引上げが実施されています。現在60歳未満の人は、繰上げ支給の請求をしない限り、原則60歳からは年金が受け取れません。

最終的には、昭和36年4月2日以降に生まれた男性と、昭和41年4月2日以降に生まれた女性は、65歳にならないと年金が受け取れないのです。

現在の公的年金制度をよく理解したうえで、自分の場合は何歳からいくら受け取れるのかを確認しておきましょう。

たとえば、平成26年度に60歳を迎える厚生年金加入者の夫と、夫よりも年下の妻の場合、夫は61歳から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例相当部分)を受け取れます。

平均的には月額10万円前後といったところ。そして、65歳になって初めて本来の老齢厚生年金と老齢基礎年金を受け取れるようになります。これが満額支給の開始です。

この満額支給開始時に65歳未満の妻がいると、加給年金が加算されます。その後、妻が65歳になると妻本人の年金の支給が開始され、加給年金の代わりに振替加算が妻の年金に加算されます(昭和41年4月1日までに生まれた妻の場合)。

これらにより、夫婦の合計年金額は、平均的には23万円程度といわれています。

妻が厚生年金に加入したことがある場合は、妻も老齢厚生年金を受け取ることができますし、生年月日に応じて60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金を受け取れる可能性もあります。

自分たちの場合は何歳からどのような年金をいくら受け取れるのかを早めに確認しておくことです。

毎年届く年金定期便を見るだけでなく、日本年金機構の「ねんきんネット」も有効活用しましょう。

「ねんきんネット」では、最新の年金記録が確認できるだけでなく、年金見込額の試算もできます。特に、年金を受け取りながら働き続けた場合の試算などもできるので、60歳以降の働き方を考える際にも役立つでしょう。

(続く)